仁川(インチョン)国際空港の概要と乗り継ぎ(トランジット)方法を解説 おすすめの待ち時間の過ごし方も紹介
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仁川国際空港について
韓国・仁川広域市に位置する仁川(インチョン)国際空港は、韓国ならびに東南アジア最大級の規模を誇る空港です。また、日本の成田空港をはじめ上海や北京などのアジアにおける重要なハブ空港の一つとされています。日本各地からの直行便や国際線の乗り継ぎ便も充実しているため利用する日本人も多く、アジアやヨーロッパなど世界各国へのフライトが運航しています。
空港内の施設やサービスも充実しており、両替所、グローバルATM、ラウンジ、免税店、各種インフォメーション(観光情報センター、遺失物センターなど)を完備。ターミナルは2つあり、航空会社によって発着ターミナルが異なるため予め確認しておきましょう。
第1ターミナルは89社、第2ターミナルには9社、日本の航空会社はJALやANAを含む計10社以上が運航しています。
仁川国際空港からソウル市内への交通手段も充実しているため、到着後はスムーズに観光スポットへ移動できます。タクシーはもちろん、深夜バスなど様々な時間帯の到着便に応じた移動手段があるため、予算や旅行スケジュールに合わせてご利用ください。
仁川国際空港での乗り継ぎ(トランジット)方法
到着したら次に乗る航空便の出発ゲートを確認
仁川国際空港に到着後、まず電光掲示板で乗継便のゲート番号と出発時刻の確認を行ってください。出発した空港で発券される乗継便の搭乗券にはゲート番号が記載されていないため、ご自身で確認する必要があります。次のフライトまで待ち時間があった場合には、第1ターミナルと第2ターミナル間の移動時間を考慮したうえで行動しましょう。
搭乗場所は第1ターミナル、搭乗棟、第2ターミナルの3か所に分かれ、それぞれ下記のようにゲート番号が振られています。
搭乗場所 | ゲート番号 | 航空会社 |
第1ターミナル(T1) | 1番~50番 | アシアナ航空、ユナイテッド航空など |
搭乗棟 | 101番~132番 | エアソウル、チェジュ航空など |
第2ターミナル(T2) | 230番~270番 | 大韓航空、デルタ航空など |
出発ゲートに沿って移動
出発ゲート番号を確認した後は、緑色の乗り継ぎ標識に沿って次に乗る航空便の出発ゲートを目指してください。第1ターミナル、第2ターミナル、搭乗棟間を移動する場合は、地下1階にあるシャトルトレインに乗車する必要があります。
シャトルトレインは5分間隔で運行し、一度乗車すると戻れないため注意が必要です。各ターミナル区間の移動にはおよそ5~8分かかります。搭乗棟での乗り継ぎには搭乗券を提示する必要があり、行先が間違っている場合は乗車できません。また、仁川国際空港では第1ターミナルと第2ターミナル間を循環する無料バスも走行しているため、そちらも利用できます。
セキュリティチェック
順路に沿って進み、保安検査場でセキュリティチェック(荷物検査)を受けます。検査ではパスポートと乗り継ぎ便の搭乗券が必要ですが、航空券を持っていない場合はeチケットを提示してください。
液体類の機内持ち込みは不可ですが、100mL以下の容器を1L以下のジッパー付き透明プラスチック袋に入れて密封する場合にのみ持ち込むことが可能です。また、免税店での購入品は「液体類免税品専用袋」に入れることで機内へ持ち込めます。
セキュリティチェックを済ませた後は、搭乗時間を待つだけです。なお、同じターミナル内での乗り継ぎであれば移動する必要はないため、先にセキュリティチェックを受けることになります。
仁川国際空港での待ち時間でおすすめの過ごし方
仁川国際空港の3階に上がると免税エリアに出ることができ、次のフライトまでの待ち時間をショッピングや食事をしながら過ごせます。ここでは乗り継ぎでの待ち時間の過ごし方を紹介します。
仁川周辺を観光
トランジットの待機時間が長い場合は、一時的に韓国へ入国し観光することができます。入国する際は、予め出入国カードや税関申告書に必要事項を記入し入国審査を受けてください。なお、待ち時間の間に韓国国内で宿泊しない方は、出入国カードや税関申告書の滞在先欄に「transit」と記載しましょう。これらの必要書類の準備をし、青色の「到着」標識に沿って入国審査場に向かってください。入国審査を終えると、韓国への入国が認められます。
地下鉄1号線の終着駅である仁川駅の周辺には観光スポットが多いことで有名です。駅前に広がる仁川チャイナタウンでは本格的な中華料理を味わうことができ、隣接する松月洞童話村は童話をモチーフとした可愛らしい写真スポットとなっています。
ソウル市内を観光
トランジットでの待機時間で韓国の首都ソウルを観光することもできます。特に明洞は韓国の最新ファッション、コスメ、グルメを楽しむことができ、観光客に人気のソウル屈指の観光スポットです。明洞から約10分の場所にある南大門市場は、韓国グルメやソウルフードの食べ歩き、お土産を選ぶのに最適です。また、ソウルには歴史的建造物が多く残り、歴史遺跡地区や支石墓遺跡などの世界遺産が点在しているのも見どころです。
空港からは電車、リムジンバス、タクシーなどで市内へアクセスできるため、観光の目的に合った移動手段を選びましょう。飛行機に乗り遅れないためにも、空港へ戻るまでの移動時間、搭乗する時間(2時間前を推奨)を見積もった上で観光するようにしてください。
首都圏エリアの無料トランジットツアーに参加
仁川国際空港では待ち時間を有効に活用できる様々なツアープログラムが提供されています。ツアーの参加には乗り継ぎでの待ち時間が24時間以下であることが条件とされ、参加する際はパスポート及び航空券の提示が必要です。ツアーでは仁川、ソウル、京畿道、 仁寺洞を効率よく見学でき、各プログラムの所要時間は3~5時間となっています。また、一部のコースでは別途入場料が必要となり、ツアープログラムは予告なく変更される場合があります。
トランジットツアーは第1ターミナルまたは第2ターミナルのツアーデスクで予約し、ターミナル1階の登録カウンターにて手続きを行います。登録完了後は、予約確認書に記載されたツアー開始時間30分前までに登録カウンターに向かいましょう。
新浦国際市場で食べ歩き(トランジットツアー)
ツアープログラムには首都圏だけでなく、韓国で有名な寺院や市場を回るルートもあります。特にツアーで行ける新浦伝統市場は、地元住民や観光客に人気の市場です。市場内は野菜、果物、海産物、総菜ごとに分かれているため、初めて訪れる人でも迷わず好きな商品を探すことができます。そのほかにもローカルフードの屋台、食堂、雑貨店も並んでいるため食べ歩きやお土産選びにも便利です。南側の通りには衣料品や雑貨店が比較的多く、北側には食堂、総菜などの屋台が立ち並びます。また、市場の名物料理で有名な韓国式唐揚げ「新浦タッカンジョン」の専門店もあり、イートインとテイクアウトどちらも利用できます。
新浦伝統市場のツアーは、毎日午後3:00~午後6:00までの間に開催され無料で参加することが可能です。
韓国グルメを堪能
第1ターミナルの地下1階や4階には、韓国料理店や多国籍料理を味わえるフードコートがあります。特に韓国料理チェーン店「スクールフード」では、手軽な価格帯で韓国グルメを楽しむことができます。また、第2ターミナル側の地下1階にある「韓食味談道(ハンシッミダムキル)」は、韓国料理専門のフードコートとして有名です。スンドゥブチゲ専門店や、日本でもお馴染みのファストフードチェーンのロッテリアもあるのでランチをするのにも最適なエリアです。ソウルの人気キムチチム店「ハノッチッ」や、全州(チョンジュ)ビビンバ専門店「家族会館」など韓国の有名店が集結し話題となっています。早朝から営業しているため、朝早い便で到着した際の利用にも便利です。
カフェ・スイーツ店巡り
仁川国際空港はレストランやファストフードはもちろん、カフェも豊富に揃っています。第1ターミナル4階にあるデザート専門のフードコート「Gourmet DESSERT(グルメデザート)」では、プレッツェル、アイス、饅頭などのスイーツを食べることができ幅広い年齢層に人気です。フードコート内にはプレッツェル、トースト、サンドイッチ、有名な韓国スイーツで知られるホットクの専門店も立ち並び、店舗は定期的に入れ替わります。
また、両ターミナルには韓国を代表するベーカリー・チェーン店「パリバゲット(ParisBaguette)」も併設。コーヒーをはじめパン、ケーキ、サンドイッチが美味しいと評判で、テイクアウトとイートインどちらも利用可能です。特に仁川空港限定のご当地バターサンド「仁川アンニョンサンド」が人気で、お土産にもぴったりなデザートです。
免税店で買い物
空港内には免税店が多数あり、コスメ、雑貨、お酒、タバコなど様々な商品が税抜き価格で購入できます。第1ターミナルにはChanelやGucciなど多くの高級ファッションブランドやアクセサリーショップが立ち並び、ウィンドウショッピングに最適なエリアです。そのほかにも、韓国の特産品である人参や化粧品を購入することができます。
一方、第2ターミナルはDiorやSK-IIのフラッグシップ店など世界的に有名な化粧品ブランドから、リーズナブルな価格帯まで幅広い化粧品が並びます。また、お土産、食品類、タバコ、お酒などを販売している免税店も多いためお土産選びにも便利です。ほとんどの免税店は24時間営業ですが、一部の店舗では閉店時間が異なるため予め営業時間を確認しておきましょう。
韓国の伝統文化を体験する
第1ターミナルにある韓国伝統文化センターでは、伝統衣装の着用や伝統工芸品作りを体験できます。参加する際は、ターミナル内の東館、西館、搭乗棟にあるセンターの受付でパスポートと航空券を提示し、体験したいプログラムを伝えましょう。伝統工芸体験では、タブレットで説明を受けながら韓紙、丹青、螺鈿、民画などの伝統工芸品を作れます。日本語での説明にも対応しており、完成品は記念に持ち帰ることができます。また、伝統衣装体験では様々な伝統衣装や装飾品を付けて記念撮影ができ、どちらも待ち時間で楽しめる体験プログラムとなっています。
ただし、待ち時間が短い場合は体験に参加できないため、遅くてもフライトの1時間前には文化センターへ向かうようにしてください。
トランスファーラウンジで休憩する
第1ターミナルの4階にあるトランスファーラウンジでは、仮眠や休憩ができます。ラウンジ内には、仮眠室、パソコン作業スペース、リフレッシュゾーン、キッズスペース、シャワールームが完備され待ち時間を快適に過ごしたい時に便利なエリアです。
シャワールームは30分まで無料で利用でき、タオルを含むアメニティの貸し出しも行っています。また、仮眠室(NAP ZONE)には足を伸ばせるソファー席やリクライニングチェアが設置され、仮眠だけでなく体を休ませるのにも最適です。各座席にはUSBポートやコンセントが付いているため、スマートフォンを充電しながら休めるエリアとなっています。休憩や空港内での散策後に足を休めたい場合は、イスやクッションがあるリフレッシュゾーンの利用が便利です。
トランジットホテルで宿泊する
翌日のフライトまで待つ場合は、トランジットエリアにあるトランジットホテルの利用が便利です。第1ターミナルと第2ターミナルに併設されており、韓国へ入国せずに利用できます。各部屋にはベッドやシャワーなど一般的なホテルと同様のアメニティが完備され、交通機関で移動する必要もないため多くの旅行客に人気です。滞在時間は6時間、12時間、16~24時間から選択でき、追加料金がかかりますが時間を延長することも可能です。
トランジットホテルは24時間以内に国際線で乗り継ぐ方のみ利用可能で、韓国へ一度入国すると宿泊できません。また、予約にはチェックイン時間、仁川空港到着便名、到着日、到着時間、出発便名、出発日、出発時間などのフライト情報が必要となります。
プライオリティ・パス・ラウンジを利用する
プライオリティ・パスは、世界各国の空港ラウンジを利用できる会員制サービスです。会員カードやプライオリティ・パスが付帯されたカードを提示することで、フリードリンク、軽食、ワークスペース、フリーWi-Fiなどのサービスを利用できます。仁川国際空港の第1ターミナル内には3か所のプライオリティ・パス対応のラウンジがあり、食事、フリーWi-Fi、マッサージチェア、シャワールームが提供されています。食事スペースはビュッフェ形式で韓国料理を中心にデザート、サラダ、各種パンが充実しているのが魅力です。
ラウンジによってシャワールームの有無や料理のバリエーションが異なるため、利用したいサービスに合わせてお選びください。また24時間営業しているラウンジは一部のみのため、深夜帯に訪れる場合は予め営業時間を確認しておきましょう。
SPA ON AIR(スパオンエアー)を利用する
第1ターミナル地下1階にあるSPA ON AIRは、雑魚寝スペース、お風呂、サウナが完備された24時間営業の温浴施設です。利用する時間帯や滞在時間によって料金が異なり、詳細は施設入口の看板にて確認できます。支払い方法は現金かクレジットカードのみで、現金はウォンしか使用できないため注意が必要です。
利用する際は、まずフロントで利用時間を選び料金を支払います。タオル(バスタオル1枚、フェイスタオル2枚)、ロッカー兼靴箱の鍵、ラウンジウェア、ラウンジエリアのカードキーを渡されるので受け取ってください。荷物はフロントに預けることができます。夜の時間帯は混みやすく、事前予約はできないためご注意ください。
パラダイスシティで遊ぶ
パラダイスシティは仁川国際空港からシャトルバスでアクセスできる大型複合リゾートです。ホテル、カジノ、スパ、レストラン、美術館、クラブなどが併設された最新施設で、施設内を巡りながら待ち時間を快適に過ごせます。第1ターミナルと第2ターミナルからそれぞれシャトルバスが運行しているため移動も簡単です。ただし、各ターミナルによって運行時間や所要時間も異なるので事前に運行スケジュールを確認しましょう。
また、施設によって入場料が必要ですが、ショッピングアーケードやフードコートなど見ているだけで楽しめる施設もあるのが魅力です。施設内には日本語表記の案内や日本人スタッフが多数常駐しているため、英語や韓国語が話せなくても安心です。
インスパイア・エンターテインメント・リゾートで遊ぶ
インスパイア・エンターテインメント・リゾートは、ショッピング、ダイニング、エンターテインメント施設が併設された韓国最大級の統合型リゾートです。リゾート内にはホテルを中心にアリーナ会場、デジタルアート空間、屋内ウォーターパーク(有料)が集まり、エントランスのラウンジではスイーツや軽食が食べられます。パラダイスシティと比べエンターテインメント性に優れた施設が多く、ショッピングモールには子供連れも楽しめるアミューズメントがあるのも魅力です。
仁川国際空港からシャトルバスでアクセスが可能で、バス乗り場は第1ターミナルの2C・14C出口と第2ターミナルの6A出口にあります。1時間に1本間隔で運行しており、所要時間はおよそ15~20分です。
カプセルホテルで休憩する
空港内で宿泊する場合は、トランジットホテル以外にカプセルホテル「DARAKUHYU(ダラク・ヒュ)」も利用できます。第1、第2ターミナル両方に併設され24時間で営業しています。また、第2ターミナルの交通センターにあるホテルでは徒歩で空港鉄道乗り場へ向かえるためソウル駅までの移動にも便利です。ただし、通常の宿泊ではなくトランジットで利用する際は、一度韓国に入国する必要があります。
全個室カードキー対応で、部屋はシングルベッド、ダブルベッド、シングルベッド(シャワー付き)、ダブルベッド(シャワー付き)の4タイプがあります。ベッドのみの部屋を選んだ場合も共同シャワー室が使用可能で、宿泊プランの他に3時間単位の休憩やシャワーのみの利用もできます。フロントでチェックインを行う以外に事前予約が可能で、ホテルを利用する際は予め予約をしましょう。
更新日 : 2025/01/10